photography: Mie Morimoto

書家 華雪さんと「木」を書いて「森」をつくろう|MAMMOTH KIDS × ARTIST

毎号、アーティストが先生となって、子どもたちとワークショップを行う「MAMMOTH KIDS × ARTIST」。今回(no.25)の先生は、作家活動のほか「字を書くこと」を軸としたワークショップを全国各地でおこなっている書家の華雪さんです。古来より文字や物語を綴るために用いられ、今日でも小さな子どもからお年寄りまで多くの人が親しむ書。華雪さんと子どもたちが「木」という字を書いて、大きな「森」をつくりました。

子どものころに象形文字に出会い、文字が絵から生まれたことに興味を抱いてから、文字を書きつづけてきた華雪さん。ワークショップは、「木」という漢字のなりたちを知ることからはじまりました。
「5歳から通いはじめた書道教室の先生は、まだ絵と字の区別もつかない私に、絵を見せながら、文字のなりたちや象形文字について教えてくれました。実際、文字が絵のように見えることもあり、書くという行為を大変興味深く思ったことを覚えています。

対象となる子どもたちになじみのある漢字で、象形文字をもっていること、そして大きな広がりのあるイメージを持っていることを基準に、今回のワークショップでは、「木」という文字を選びました。実際、木のことについてみんなで考えてから書きはじめると、子どもたちは「風が吹いて揺れている木」「枝は一本じゃない」「木には根っこがある」とそれぞれに木のことをイメージして、思い思いの「木」を表現していきました。子どもたちには「絵ではなく字を書いて」と伝えたのですが、「木から落ちた枝」とか「木の切り株」といって絵を書きはじめる場面もあり、字を正しく書くということはどういうことなのか、あらためて考えさせられもしました。彼らが書く線の表情はとても素直で、大人の自分が書く線とは明らかに違いますよね。ほかの子が書いた字に線をつなげていく姿を見て、「木」という字を書きあいながら、「木」のイメージを共有しあっていることも新鮮でした。子どもたちにも伝わる書、豊かなイメージを抱いてもらえるような書を、これからも書いていきたいと思います」

華雪さんと子どもたちが書いたひとつひとつの「木」。それぞれの木が合わさって、とても大きな「森」が完成しました。仲間とともにつくりあげた森を前に、なんだか誇らしげな子どもたち。学校で習う書道とは違って、今回の体験をとおして、書の楽しさを知ることができたようです。

 
華雪(かせつ)
書家。1975年、京都府生まれ。1992年より個展を中心に活動を続け、作家活動のほかに書籍の題字も手がけている。著書に『書の棲処』(赤々舎)、『石の遊び』(平凡社)など。現在、新潟市内全域を会場に開催される『水と土の芸術祭』(2012年12月24日まで)に出展中。www.kasetsu.info

※このワークショップの様子は mammoth No.25「JAPON」特集に掲載されています。

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