Mie Morimoto

落語家 桂こごろうさんに落語のしぐさを学ぼう! MAMMOTH KIDS × ARTIST

着物を羽織って座布団の上に座り、たったひとりで何人もの人を演じ分け、聴き手を時代や場所という時空を超えた世界へと誘ってくれる落語家。今回の先生は、2012年4月に二代目桂南天を襲名する、上方落語家の桂こごろうさん。江戸時代から続く身ぶりや手ぶり、そして語りで伝える上方落語に、子どもたちが挑戦します。
やわらかな物腰とひょうひょうとした語り口が印象的な桂こごろうさん。子どもたちと簡単な自己紹介を終えてから、身ぶりや話しかた、座ったまま歩く練習など、噺に登場する人物の“しぐさ”のレッスンが始まりました。
「落語の発祥は、江戸時代。古典と呼ばれる噺もあれば、明治、大正、昭和と時代によって新しくできた噺もあります。僕が大切にしているのは、お客さんにいかにわかりやすく伝えられるかということ。僕が落語に興味をもったのも、初めて落語を見たときに、おじいさんのような落語家の噺をおもしろいと感じたのがきかっけでした。子どもたちに落語のしぐさを教えるのは、今回が初めて。最初は少しとまどいましたが、子どもたちには言葉で説明しながら教えるよりも、実際にやってみて、落語というものを肌で感じとってもらうのが大事だと思いました。落語の小噺は駄洒落みたいなもの。子どもたちは駄洒落をよく知っているから、小噺をやってみるのもいいですね。ひとりひとりおもしろいと思う場面が違いますが、それは大人も子どもも一緒。子どもたちの反応をとおして、知識としてはわからなくても、感性としてもち合わせているものは同じだと思いました。落語はライブです。同じ演目でもひとつとして同じ落語はありません。今日はライブ感のあるワークショップができたと思います。子どもたちがネタを披露する場面では、ひとりひとり違っていて、それがとてもよかったですね。この機会に落語っておもしろいもんやなぁと思ってくれたら嬉しいな」。
はじめは緊張して、小さな声で恥ずかしそうに話していた子どもたちも、ワークショップが終わるころには、すっかり落語家気分。こごろうさんを通じて落語の魅力にふれ、最後にはオリジナルのネタを堂々と披露するなんて一幕も…! たくさんの笑顔と笑いに包まれたワークショップになりました。
 
桂こごろう
1967年大阪府生まれ。落語家。1989年、桂べかこ(現・三代目桂南光)に入門。2001年に国立文楽劇場小ホールにて「第1回桂こごろう独演会」開催する。テレビ番組のナレーションや舞台などでも活躍中。2012年4月に二代目桂南天を襲名。4月より全国約10会場にて襲名披露興業が開催される。www.eonet.ne.jp/~kogorou