アーティスト佐々木愛さんと一緒に、見たい夢のストーリーを描いてみよう!

日本には、お正月に見た夢で一年を占う習慣があるのを知っていますか? 七福神が乗った宝船の絵を描いて枕の下に入れて眠ると、縁起のよい初夢が見られるとか。夢はコントロールできないけれど、見たい夢を描いたら、本当に見られるかも…。今回はアーティストの佐々木愛さんと、枕カバーに見たい夢のストーリーを描きます。
人々が心のなかにもつ「記憶」から呼び起こされるような世界を、幻想的なインスタレーションやペインティングで表現するアーティストの佐々木愛さん。今回は、愛さんに倣って子どもたちが夢の世界を空想し、枕カバーに見たい夢のストーリーを描きます。
「最初にみんなで見たい夢について話し合ったのですが、子どもたちが見たい夢の具体的なストーリーをもっていたのには驚きました。大人なら現実的なシチュエーションを想像しがちですが、子どもたちは、現実とは違う自分のなかにある空想の世界のお話をしていました。今日初めて会ったはずなのに、子どもたちはお互いの夢を共有して、誰かが話した夢の続きをほかの子が考えたりと、みんなの夢が自然につながっていったのには感心しました。最終的にひとりずつの夢を絵で表現したのですが、話し合うなかで、子どもたちから「みんなで一緒の夢を見よう」というアイデアが出てきたのはおもしろかったですね。時間があれば、ひとりひとりの夢の話をもっと聞いてみたかったです。
今日は、大小さまざまな筆を使ってインクで布に絵を描いたのですが、子どもたちには、画材だけでなく、いろんな素材を使って、いろんな実験をしてほしいなと思います。私自身、子どものころから、ただコップからコップに水を移すとか、ルールも終わりもない実験をよくやって遊んでいました。学校では完成を求められるけれど、完成しなくてもいい、つくる過程を楽しめる遊びをたくさんしてほしいですね」
できあがった枕カバーに描かれたのは、ユニコーンに乗って世界中を旅する夢、応援している野球チームがライバルをやっつける夢、宝物のある山に空からきれいな光が降ってくる夢…。子どもたちの豊かな感性にふれるプログラムになりました。今夜は、みんなが描いた夢の世界で楽しいひとときを過ごせるといいですね。
佐々木愛
アーティスト。1976年、大阪府生まれ。金沢美術工芸大学卒業。2002年、『キリンアワード2002』奨励賞受賞。2004年より国内外で展覧会を開催し、グループ展にも参加。2010年、ポーラ美術振興財団 在外研修生としてオーストラリアに滞在。主な展覧会に「Four Songs」(ベルナール・ビュフェ美術館 2014)、「Landscape Stories」(T.O.D.A. 2013)などがある。現在、福井県金津創作の森で「森からはじまる物語」展に参加中。www.sasakiai.com