安心・リラックスしてこそ安眠できる|快眠セラピスト・三橋美穂

世の中は相反するふたつのものでひとつのことが成り立っています。男と女、左と右、昼の活動と夜の睡眠の関係だってそう。活動ばかりに焦点があたりがちだけれど、闇が濃いほど、光は輝きを増すもの。睡眠が充実すれば、活動も充実するんです。どちらも同じだけの価値があって、両方でバランスがとれたときに、本来の自分の力が発揮できるのだと思っています。
快眠のためにできる工夫はいろいろありますよ。興奮していたら眠れないので、心身の緊張をゆるめながら眠る体勢にもっていくといいんです。入浴やアロマ、ストレッチや、照明に気を使うのも有効です。もちろん、自分に合った寝具をきちんと選ぶこともとても大事なことなんですが、その基本が意外にぞんざいになっている人も多いんですよね。
でも、眠れなくて悩んでいる人にはまず、現状そこにある状態なだけで、そのこと自体が良い・悪いではないから大丈夫って言いたいです。いまのこれで私はOK!って認めることができれば、他の人に対しても寛容になってくるし、許容範囲が広がって、気持ちに余裕が出てくるんですね。そうすると、自分自身も楽になる。その気持ちが快眠にもつながってくると思います。私自身、眠れないことはよくないことだって意識下で思い込みがあったことにあるとき気がついてから、仕事に対する姿勢や思いが劇的に変わりました。睡眠をとおしてその人の、ひいては世界中の人たちの人生が豊かになることを願っています。
三橋美穂 みはし・みほ
講演や執筆、個人相談などで眠りの大切さや快眠の工夫、寝具の選びかたなどを提案。睡眠をとおして人々の人生をよりよくすべく活動をしている。最新刊は『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』。
 
mammoth No.31 SLEEP Issue 収録