クタニシールでつくる飯碗づくり

彬子女王殿下が発起人代表となり、「次の世代を担う子どもたちに日本文化の奥深さや魅力を伝えていきたい」という主旨のもと設立された「心游舎」。活動の中心は、「子どもたちが日本の伝統文化を身近に感じること」を目的としたワークショップです。その3回目となるワークショップ 「クタニシールでつくる飯碗づくり」が8月25日、東京都中野区にある蓮華寺で開催されました。
ワークショップに先駆けて、まずは彬子女王殿下から茶碗と飯碗という言葉の由来についてのお話が。続いて会場となった蓮華寺の金子副住職から、私たちが今「あたりまえ」のように食べているごはんがどれくらいありがたいか、という「あたりまえ」のお話がありました。本堂でおふたりの話を聞き、子どもたちが飯碗をつくることの意義を学んだところで、ワークショプがスタート。石川県の代表的な伝統工芸である九谷焼の飯碗づくりに挑戦です。
今回、講師を務めたのは、上出長右衛門窯の六代目、上出惠悟氏。九谷焼を大量生産する際に使用する技法を応用した「KUTANISEAL(クタニシール)」とよばれる九谷焼の絵柄や文様が描かれたシールを、無地の飯碗に貼っていくというプログラムです。
作業にとりかかるや、子どもたちは真剣になってシールの柄を選び、どんなデザインにするか、頭に描いてからシールを貼っていきます。大胆な柄をいくつも並べる子、小さな文様を連続して貼り付ける子、アルファベットを並べて自分の名前を入れる子…。作業開始から1時間ほど、十人十色の素敵な飯碗が完成しました。この日つくった飯碗は石川県の上出長右衛門窯で焼成し、10月の「オリジナル飯碗でごはんをいただく」というプログラムで参加者に手渡されます。
今後も「心遊舎」では、全国の神社や寺の協力のもと、「現代の寺子屋」をイメージしたさまざまな活動を計画していくとのこと。「心遊舎」の活動については、こちらをご覧ください。