Yasuyuki Takagi

ミリオン・ツリーズNYC|ニューヨークをグリーンな街に

ニューヨーク市を2030年までにサステイナブルな街にするという計画のひとつとして発足した、「ミリオン・ツリーズNYC」。マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スターテン・アイランドの 「ボロー」と呼ばれる市内の五つの区域全域に、十年間で百万本の木を植えようという大胆なプロジェクトです。2007年にスタートし、はじめの二年間で計画の四分の一を達成しました。これは、コミュニティや学校が一体となって木を植え育てていくことで自分たちの住む街を豊かにきれいにしたい、というみんなの願いの現れかもしれません。
プランティングでは、簡単な説明を受けた後、子どもたちが苗木を決められたポイントに植えていきます。一度植えると達成感があるからか、何度も楽しそうに苗木を運んでは植えていく、子どもたちのようすが印象的でした。
また、市の公園面積の四十パーセントにあたる自然公園のなかから外来種の寄生植物を取り除き、荒れ放題になっている森林区域を整備することや、北アメリカ東北部の土壌に合ったこの土地生来の木を植え直し、アメリカ大陸の植民地化以前の森に戻すことも、この運動の目的でもあります。春から秋にかけて、子どもたちを含めた市民ボランティアが、百万本の目標に向かって街に緑を増やす活動が行われます。
Million Trees NYC ミリオンツリーズNYC
www.milliontreesnyc.org
※ この記事は、『mammoth』No.20 (2010年)に掲載されています。
文:浅野スチ 写真:高木康行