にぎやかな風・茶谷恒治さん

東京・阿佐ヶ谷にある福祉ショップ「にぎやかな風」の店長を務める茶谷恒治さん。お店には全国各地の福祉施設でつくられた商品が並んでいます。放し飼いにした鶏の卵でつくったマヨネーズ、木曽ひのきでつくられた箸、手編みのカゴ、自家製野菜を使ったドレッシングなど、どれも大切につくられたものばかり。なかでも茶谷さんのお気に入りの商品は、和歌山県の港でとれた魚を天日で干したダシパック。
「ダシで無添加の商品って自然派ショップにも少ない。こういう商品って、昔はおじいちゃんやおばあちゃんがつくっていたんですよね。地元のお年寄りの仕事を引き継げるのが、福祉施設なんだと思います」
店内には、手選別の豆を使ったコーヒーや地ビールを飲める喫茶スペースがあり、ライブなどのイベントも行われます。日本全国から風のように届く手作りの品々と、店に集うお客さん。店名の通り、ここにはいつもにぎやかな風が吹いています。
「ここは狭いお店だけど、車いすや乳母車のお母さんでも気軽に入ってもらえると思います。商品が邪魔そうだったら、僕たちがどんどん移動する。助成金でたいそうな設備をつくらなくても、どうにでもなるんです。だって、この人どうなっている?と、ちょっとみんなが気にすれば大丈夫なんだから。なんで気がつかなくなったかというと、同じ人たちだけで暮らしているから。いろんな状況の人が集まって暮らすようになったら、いろいろと察することができる。そういう考えができる社会になったら、変わりますよね。街には人がいる。ひとりきりになる場所なんてそうそうない。どこかに人はいるんです。人の視点が変わるだけで、すごく暮らしやすい街や社会になるように思いますね」
» にぎやかな風 http://nigiyakanakaze.com/
※ このインタビューの全文は、マンモス22号に掲載されています。