mammoth 15

日比野克彦さんのダンボール・ワークショップ

日本中を飛び回り、参加型の制作活動を続ける日比野克彦さんは、ダンボールやガムテープなど身近な素材を使って、大人も子どもも参加できるワークショップを提案しています。
「一枚のなんでもないダンボールが、色を塗って積み上げていくと、それこそ海に見えてきたりするわけじゃないですか。あれ、さっきまでたんなる紙切れだったのが、色をつけて構成したらなんか世界観出てきたよ、と価値観が変わる瞬間があるわけです」
“価値観が変わる瞬間が美術のおもしろさ”と話す日比野さんは、80年代から自分の作品をつくる姿を見せる公開制作を行ってきました。興味を持つ人が集まり、しだいにワークショップというかたちになってきて、大人も子どもも交えて作品ができ上がっていく過程を楽しみ、美術の本当のおもしろさを伝えていく活動となりました。
「小学校一年生は、六歳か七歳しかいない。同い年の子しかクラスにいないっていうのは、図工にとって不幸なことなんです。…図工の時間では、大人もいて子どももいて、いろんな人がいるほうが、それぞれの個性や”らしさ”がわかりあえていいと思う」。
ワークショップで異年齢が交流し、一つのモノを作ることを通して、互いの価値観を知ること。それは自分自身を知ることにもつながっていくのです。
※ 日比野さんのインタビューは、マンモス15号に掲載されています。

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