速度びより

「速度」って何だろう?

人間はいろいろな機械や乗り物を発明し、便利で効率のいい生活を追求してきました。それなのに毎日時間がないと感じてしまうのはなぜでしょう? 子どもに対しても、ついつい「はやくして」と口にしてしまう。ゆっくり見守ることが大切と知りながらも、私たちが求めているスピードとは何なのでしょう? そんな疑問について、子どもと一緒に考えるきっかけになる本を紹介します。
– あるとき、機械を使えば速く走れて、しかも空を飛べることを知りました。とうとうパンドラの箱をあけてしまったのです。それから人類は、「速いこと=便利」として、ひたすらスピード・アップにはげんできました。その努力が、速くなくてもよいことにまで影響していきます -(『速度びより』より)
この本では「速度」をキーワードに、社会がスピードアップ化していった歴史を読み解きます。工業化と資本主義経済の誕生、蒸気機関車や蒸気船の発明、流線型ブームといった現在の「速度」の背景となってきた事柄について、絵本仕立てのビジュアルでわかりやすく伝えてくれます。物語のナビゲーターは、小さな女の子さらちゃん。身近なようで意外と知らない「速度」について教えてくれる一冊です。
松田行正 著『速度びより – ラジカル・ヒステリー・ツアー 001』 牛若丸出版・2010年12月上旬発行
詳細はこちら。牛若丸出版