公園として生まれ変わったハイライン

ニューヨーク・マンハッタンを走る鉄道の高架線跡が、2009年に空中庭園として生まれ変わりました。「ハイライン」と呼ばれるこの高架線跡は、鉄道の廃線後もそのまま20年以上放置されていました。都市の真ん中にできた廃墟には、やがて野生の花や草が生い茂り、樹木さえも生えて線路を埋めつくしました。そして自然と文明とを織り交ぜたかのような、不思議な空間となったのでした。
1990年代後半、このハイラインを解体するという計画に対して、建造物を残して公園と散歩道に変えるべきだというキャンペーンをニューヨークの市民団体が始めました。そうしてハイラインの保存・公園化が決定され、線路跡には100種類以上の植物が植えられ、ハドソン川を眺めながら散歩できる緑の道がつくられました。
ピーター・ブラウン作の『ふしぎなガーデン』は、このことを題材にした絵本。主人公の一人の男の子がきっかけで、都市が緑の街へと生まれ変わっていく様子が描かれています。ユトレヒトの江口宏志さんが、ブッククラブで紹介しています。
» リアムとハイライン。