未来の長屋スタイルをみんなで考えよう|建築家、作家 アズビー・ブラウン

未来の長屋スタイルをみんなで考えよう – 家をテーマに、インタビューしている本誌『mammoth』HOUSE 特集。さまざまな分野の賢人たちの言葉をきっかけに、親子で家について考えてみてはいかがでしょう。2人目は、建築家、作家のアズビー・ブラウンさんです。

– 江戸の住まいにおける子どもの暮らしは、今といろいろな違いがあるけれど、大きく違うのは「遊び」ではないでしょうか。ゲームもテレビも携帯もないなかで、子どもたちは大人の真似事をして、クリエイティブに遊びをつくり出していた。たとえば、畳屋さんだったら畳づくりの手伝いとか、木工職人さんのお手伝いをして竹とんぼのつくりかたを教えてもらうとか。そうした親の手伝いのなかから社会と関わり遊びを見つけていく。教育の非常に重要な部分です。親の手伝いがないときには、子どもたちは外に出ていきます。町ではだいたいが顔見知りですから、まわりの大人がなんとなく子どもたちを気にしている。江戸に限らず、僕が子どものころも親同士のネットワークがちゃんと機能していたんです。

また、江戸時代、都市生活者の3分の2以上が長屋暮らしでした。部屋は狭かったけれど、銭湯が発達していたり、生活のなかで炭をつくったり、トイレはそのまま堆肥になったり。とくにエコを意識することもなくエネルギーの問題を解決していた。現代でも応用できるアイデアはたくさんあります。

当時、鎖国はしていましたが、資源を大事にしてリサイクルやコンサベーションをやりながら全体的な生活のレベルを上げていきました。現代は新しいマーケットや商売のために成長を求めますが、江戸時代はその反対。 循環することで、結果的に非常に成熟した社会になったのです。3.11以後、江戸の考えかたが非常に重要になってきていると、あらためて感じます。

アズビー・ブラウン
1956年、米国生まれ。金沢工業大学未来デザイン研究所所長。イエール大学で日本建築を学んだ後に来日し、1985年より日本在住。著書に『The Genius of JapaneseCarpentry』、『江戸に学ぶエコ生活術』などがある。

» mammoth No.30 HOUSE Issue

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