感謝の踊りが天と地を結ぶ|ミュージシャン/ウニキ・クム・フラ サンディー

ウニキ・クム・フラ(フラの正統的継承者)として活動しているサンディーさん。『mammoth』DANCE特集では、サンディーさんのインタビューを掲載しています。
– 花の気持ちがわからないと踊りは踊れない。花が優しいバイブレーションしか出さないのと同じように、踊りもイガイガしたものを発しない。無心になって踊ると、大地や天の神々を呼び覚まし、天と地とともに、私たち含めたすべての生命をつないでくれる。すると風が渡り波が起こり、木々がそよいで太陽がきらめき、すべてのものが宝石のようにきらきら踊る。それを感じとれた瞬間、ダンサーの魂は覚醒するの。ステップを踏むたび、天からの光を自分のなかに取りいれ、何時間でも踊っていられるようになる。
ハワイで暮らしていた幼少期、フラは当たり前のように踊っていたけど、ティーンネイジャーで出会った先生とその生徒たちの踊りが私を変えました。まつげの一本一本まできらきらしている彼女たちが踊ると、それだけで気持ちいい風が吹いてくる。こんな踊りがあったのかと衝撃で涙が止まりませんでした。そのときにわかったのが、踊りって大きなものとひとつになれるということ。魚や鳥の群れが突然方向を変えられるように大きなものの一部になれる。その瞬間の感動を知ってしまったのです。
ダンサーは発光体にならないといけません。世の中を明るく照らして、見ている人に楽しさを分けられるのだから。こうしたエンターテインメント性も大切な要素。でも根っこには聖なるものが宿っていてほしい。宇宙というキャンバスに祈りを描きながら踊るのがフラ。踊っていると自然と笑顔になり、感謝の気持ちが湧いてくるのです。-
サンディー
Sandii’s Hula Studio 主宰。ウニキ・クム・フラ(フラの正統的継承者)。10代をハワイで過ごしフラを学ぶ。1974年、日本での歌手活動を開始、90年代からハワイ音楽を制作。通算7枚の「Sandii’s Hawaii」シリーズを発売。
» mammoth no.29 DANCE Issue