神唄でつながる家庭と宇宙|こやまよしこ(歌手)インタビュー

ほうせんかの花は爪の先に染めて/親の言うことは心に染めなさい/心にある宝のたま(魂)は磨かないと錆びてしまいます/ 朝夕毎日たま(魂)を磨いて渡っていきましょう/心に誠のある人はいつまでも/思うことが叶って栄えるでしょう

これは沖縄の有名な唄「ちんさぐの花」の言葉の意味です。親の言うことは心に染めなさいというのは、自然界から教わることを肝に銘じなさいというのと同じだし、どこの国でも通用する真理を唄ってる。沖縄には、家庭から宇宙まで通用する、深い真理の童唄や神唄がたくさんあるんですね。

私は本土の生まれですが、初めて沖縄の古い唄がラジオから流れてきたのを聴いたときに、言葉の意味もわからないのに突然涙が止まらなくなったの。そして、私の心を揺り動かした涙の理由を探そうと思って、沖縄に通うようになって、いつの間にか、自分が唄うようになっていた。

沖縄では、本当に駆け引きのない普遍的な愛情と唄にたくさん出合いました。私が唄うようになったのも、おばあから「あなたは感受性が強すぎて内に籠っている。唄ってきなさい」って言われたから。唄は体を通り抜けるエネルギーで、内向的だった私を外の世界に出してくれたんです。

神唄は「あちらとこちらをつなぐための唄」です。唄うことで別の世界が現れる。それは私がつくったバーチャルなものではなくて、実際に宇宙のどこかにあるエネルギー。素朴な自然の幸福感なんだと思います。

 
こやま・よしこ 
1999年より沖縄民謡ポップスグループ、「ネーネーズ」として活動。2002年よりソロ活動開始。童謡、子守唄、神唄など世界各地に伝承された唄を独自の世界観で唄う。conconbe-house.com

この記事は『mammoth』No.23(ストーリーテラー特集)に掲載されています。

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