ハワイアンレイ – アロハの精神を伝える、愛をはこぶ贈りもの

太平洋に浮かぶ島、ハワイ諸島を訪れると、南国の暖かい風とともにかぐわしい花の香りが漂ってきます。その香りは人々のこころを解きほぐし、安らかな気持ちにさせてくれます。昔からハワイでは、花を首飾りにして贈る習慣がありますが、人々は自然のなかに宿る神々を崇拝し、「マナ」と呼ばれる自然のスピリットを取り入れながら、自然とともに暮らしてきました。なかでも花は特別な存在。「カプア(花)」「ナプア(花々)」「プアナニ(美しい花)」「プアラニ(天国のような美しい花)」「オナオナ(やさしい香り)」「クパアオア(強い香り)」「モア(風に運ばれてくる香り)」など、ハワイ語には花や香りにまつわる言葉もたくさん存在し、人々がいかに花を大切にしてきたかがわかります。
ハワイアンレイは、もともと神々への供えものや魔除け、社会的地位を示すものとして使われ、植物の葉や花、木の実、貝殻など、自然の素材をつないでつくられていました。いまでは愛や友情の証として、大切な家族や友人の誕生日、記念日など、日常的にレイを贈りあう習慣が残っています。ピカケやプルメリア、ランなどでつくられたレイは、香り高く美しく、贈った人も贈られた人にも安らぎを与えてくれるもの。アロハの精神を宿してくれる神様からの贈りものです。
» mammoth no.28 FLOWER