Illustration: Mika Inohara

ケビンさんが教えてくれた木と友だちになる方法

たとえ家の近所に森がなくても、公園や街路樹にはたくさんの木が生えています。なにげなく通り過ぎる木の下で、ほんの少し立ち止まってみませんか?日本の自然をこよなく愛するナチュラリストのケビンさんが、木に親しむための方法を教えてくれました。
「木の大切な仕事はふたつあって、ひとつは太陽からエネルギーをもらって、強くて大きな体になること。もうひとつは花を咲かせて、実をつけて子孫を残すこと。この両方の仕事を毎年、くりかえしている」と語るケビンさん。葉っぱをよく見てみると、葉っぱの中を走る線、葉脈を見つけることができます。葉脈は、根から吸いあげた水分を葉っぱに届け、葉でつくった栄養を枝や幹に送る重要な存在で、まるで人間の血管のよう。木を生き物という視点で見つめ直すと、様々な発見があるのです。
また、山奥に行かなくても、都会の公園にも「生態系」はあります。意識して観察してみると、木と虫や鳥などの生き物がお互いに影響しあいながら暮らしていることに気が付くはず。鳥などの小動物も木をすみかにしているし、樹皮の下や葉の裏には、昆虫や昆虫の卵が見つかる。木の根元には、葉や花、実など木の贈り物がたくさん。木の幹に耳をあてて、森の音を聴いたり、いろいろな木に触れて触感の違いを感じとってみましょう。
木をじっくり観察するときは、葉や実をノートにスケッチすることをケビンさんはすすめています。同じように見えていた葉っぱも、木の種類によっていろんな形だったりと、近くで見ることでさまざまな発見があります。葉っぱの輪郭や葉脈を写してみれば、オリジナルの葉っぱ図鑑のできあがり。
スケッチブックを持って、落ち葉が舞う公園や街路樹を観察にでかけてみましょう。