artwork: Ai Sasaki

時間を超越した人の豊かさを知る|古屋和子(語り部)

私がおもに語っているのは大人向けの話で、日本の古典や近代古典文学が多いのですが、テーマや流行が先にあって話を選ぶ、ということはありません。心惹かれる話がまずあって、音にして読みつづけるうち、自分がなにに共鳴し、なにを伝えたいのかが見えはじめて、「語り」の形ができてきます。いい話だから語るのではなく、人と共有したい思いが自分のなかに湧きあがってくるのです…
続きを読む »

 Ai Sasaki

唄と語りでふれるアイヌの自然観|八谷まゆんきき(歌手)インタビュー

両親ともにアイヌで、母方の実家がアイヌ記念館を経営していたので、小さなころから踊りにいったり行事に出たりしてアイヌ文化にふれる機会は多かった。でも、意識的にアイヌ語と語りを学んで、人前で話すようになったのは6年くらい前からです…
続きを読む »

 (c)Tomo.Yun yunphoto.net

遠野の風景を感じる昔語り|正部家ミヤ(語り部)インタビュー

遠野の昔話は「昔あったずもな(むかしむかし)」で始まり「どんどはれ(おしまい)」で終わります。昔話を語っているときは、いつも側に父がいるような気持ちになります。物心ついたときから、囲炉裏端で父の膝の上で昔話を聞いてました。昔話を語っているときの、父の呼吸やぬくもりは、いまでも忘れませんね…
続きを読む »

 犬ぞりの旅とイグルー 北海道立北方民族博物館所蔵

「北極海とイヌイットの壁かけ」展|世田谷・生活工房ギャラリーにて

マンモス本誌(No.23)で紹介している北方民族博物館所蔵のイヌイットの壁掛けが、世田谷文化生活情報センター生活工房ギャラリーで開催される『7つの海と手しごと《第2の海》 北極海とイヌイットの壁かけ』で展示されます。世界の海の暮らしをその手仕事から見ていく「7 つの海と手しごと展」シリーズの2回目として…
続きを読む »

 

神唄でつながる家庭と宇宙|こやまよしこ(歌手)インタビュー

ほうせんかの花は爪の先に染めて/親の言うことは心に染めなさい/心にある宝のたま(魂)は磨かないと錆びてしまいます/ 朝夕毎日たま(魂)を磨いて渡っていきましょう/心に誠のある人はいつまでも/思うことが叶って栄えるでしょう
これは沖縄の有名な唄「ちんさぐの花」の言葉の意味です。親の言うことは心に染めなさいというのは、自然界から教わることを肝に銘じなさいというのと同じだし、どこの国でも通用する真理を唄ってる。沖縄には、家庭から宇宙まで通用する、深い真理の童唄や神唄がたくさんあるんですね…
続きを読む »

 Naoka

1,300年前からのメッセージ|奈丘(語り部)

建皇子(たけるのみこ)をご存知ですか? 彼は約1,300年前、飛鳥時代に実在したといわれる、ひとりの男の子。天智天皇の長男で、持統天皇の弟。生まれつき言葉を話せず、8歳で天命をまっとうしました。祖母の斉明天皇からはとてもかわいがられ、死後は合葬するようにとの命があったといわれています。私が建皇子に興味をもったのは、叔母の店のすぐ裏に、建皇子の殯である保久良塚古墳があり、叔母の手を合わせる姿に感動したことがはじまりです。そのときに「たけちゃんってどんな子やったんやろね」と叔母たちと想像をふくらませてたんです…
続きを読む »

previous