©James Mollison

おやすみなさい、世界の子どもたち|where children sleep

誰だって夜になったら部屋を暗くして、ふかふかのあったかいベッドに入って家族のそばで静かに眠りたい。寝室とは、そんな親密な安心感の拠りどころであり、あまりほかの人には見られたくない、とっておきの秘密の場所でもあります。寝室には、その人の趣味や性格、ライフスタイルなど、さまざまなエッセンスが散りばめられています。世界を見渡せば、子どもたちの寝室のつくりや家具の配置、そこでの夜の過ごしかたも、まさに十人十色です。
写真家のジェームス・モリソンさんは、2年間かけて世界中の子どもたちを訪ね、彼らの表情と寝室のようすを撮影しました。兄弟と体をくっつけて床で寝ている子もいれば、好きなおもちゃや人形に囲まれて眠る子、吹きさらしの野外で夜を過ごす子もいます。子どもたちの多くは、生まれついた環境でしか生活できず、眠る部屋を選んでいるわけではありません。世界の子どもたちの寝室の写真をとおして、生活環境だけでなく、それぞれの国の社会情勢までもが見えてきます。寝室は、いまの自分の姿が映し出される鏡のようなものかもしれません。
生まれた国や家庭環境は違えど、寝室は私たちが生きていくために大切な空間であることに変わりありません。世界中の子どもたちが毎晩、平和で安らかな眠りにつけますように。そして、一人ひとりが抱いている夢がいつか叶いますように。Have a Good Sleep!
ジェームス・モリソン
写真家。1973年、ケニヤ生まれ、イギリス育ち。アートやデザイン、映像や写真を学んだ後、イタリアに移住する。2011年より、雑誌『COLORS』のクリエイティブエディターを務める。2010年、4作目の写真集『Where Children Sleep』を発刊。最新作は世界の校庭を撮影した写真集『Playground』(2015)。www.jamesmollison.com