MAMMOTH KIDS × ARTIST vol.7|杉山開知さんによる地球暦ワークショップ

太陽を中心とした円盤型の暦に、惑星の位置を示すピンをさすだけで今日の太陽系の惑星の位置が確認できる「地球暦」。今回は、考案者である杉山開知さんと、地球暦を使って自分の生まれた日の星の位置を知るワークショップをおこないました。
私たちが暮らす地球は、太陽のまわりを365日かけて1周します。ほかの太陽系の惑星も、それぞれの周期で太陽のまわりをまわっているため、惑星の位置も日々変化しています。すべての惑星がふたたび同じ位置に戻るには、何百万年も先になるそう。自分が地球に誕生した日、太陽系の惑星は、どのような位置に並んでいたのでしょう。
「ワークショップが始まるまでは、どうやって地球暦について説明したらいいか悩んだけど、子どもたちはすぐに1年が円になっていることを理解していましたね。外惑星になればなるほど周期がゆっくりになることについて、「え、30年」「84年だとおじいちゃんだ」「165年、生きていないよー!」と、感覚や感情が入ったリアクションが返ってきて、とても新鮮でした。説明するというより、子どもたちのイメージに言葉をそえていく感じで、僕自身とても楽しい時間になりました。
子どもたちにとって、自分の生まれた日の星の位置を知ることは、これまで無関係だと思っていた惑星を身近な存在に感じ、自分がこの宇宙のなかで生きるかけがえのない存在だと気づくことができる機会だと思います。この世に生を受け、はじめて息を吸った瞬間がスタートラインで、そこから白紙のキャンパスに自分だけの物語を描いていく。誰もが主人公で、その人生を歩むことができるのは自分しかいないということも伝わるといいですね。宇宙は大きすぎてつかみようがないけれど、自分が生まれた日はけっして変わらないし、誕生日というのは、この地球号に乗った、その人の乗車券のようなものなのです」
最後に開知さんが子どもたちひとりひとりに、自分と相性のいい惑星を教えてくれました。星の友だちができたことで、さらに惑星を身近に感じるようになった子どもたち。誕生日の惑星位置が標された「地球暦」は、子どもたちの新たな宝物になりました。
  
杉山開知
地球暦考案者。静岡県生まれ。2002年より家業を引き継ぎ、静岡にて半農半暦の生活をしている。2004年から本格的に暦をつくりはじめ、古代の暦の伝承と天体の関係を学ぶ。2007年に太陽系を縮尺した時空間地図を 「地球暦」と名付け、制作した暦を縁ある方に「贈りもの」として配布している。