さても、めでたし 日本のかたち|Japan Lucky Monyo’s

鶴や亀、松竹梅… 古来から「めでたいかたち」として使われてきた伝統的な日本の文様。昔の日本人はこうした吉兆文様を着物や食器、装飾品などにほどこすことで、めでたさを表現してきました。日本の暮らしや文化から生まれたさまざまな文様にふれ、私たちの祖先がなぜこのかたちや色にめでたさを感じたのか考えてみましょう。


対い鶴
「鶴は千年、亀は万年生きる」といわれ、鶴は亀とともに長寿の象徴とされてきました。長生きができますように…と祈りが込められたかたちです。中国では鶴は仙人の乗物ともいわれます。


組み合わせ枡
枡は「増す」と発音が同じため、子孫繁栄、商売繁盛をあらわすおめでたいかたちとして使われてきました。「ますます仲よく」「ますますお元気で」「ますます繁盛」…というように使えますね。


丸的に当たり矢
「大当たり!」そんな声が聞こえてきたら、おめでたい気分になりますね。近世になってからつくられたかたちで、江戸時代の商人たちは、商売が「当たる」ようにと、このかたちをお店のしるしに使ったようです。


違い大根
日本人にとって身近な野菜である大根。ヒンズー教のガネーシャ(象の頭の神) に起源をもつ大聖歓喜天へのお供物でもあり、二股や二本が互い違いになった大根は生殖を意味します。繁栄成功をあらわすおめでたいかたちです。


南天車
南天は「難を転ずる」という意味を込め、厄除けのため、家の鬼門や玄関に植えられてきた植物。真冬につける赤い実がなかなか落ちないことから、おめでたいしるしとしてお祝いごとにも使われています。


光琳鐶松
「松」は「待つ」に通じる言葉。江戸時代の人々は、お正月に門松を立て目印にして、歳神様が降りてくるのを待っていました。玄関先に松を植えたり、盆栽を飾ったりすることにも、お客さまを待つという意味が込められています。


陰八重梅
松や竹と並んでおめでたい植物である梅。梅の花は、春の訪れを告げます。厳しい寒さが続く長い冬を過ごし、春を待ちわびた人々は、かわいらしい花を見て、さぞよろこんだことでしょう。


二ツ対い瓢箪
瓢箪は、蔓をぐんぐんと伸ばし、葉を茂らせ、たくさんの実をつける植物。そんな瓢箪を見て、こんなふうに増え、栄えますようにと、子孫繁栄につながるおめでたいかたちとされました。


持合い麻の葉
まっすぐに伸びる麻は、1年になんと3mも成長するそう。その成長力にあやかろうと、赤ちゃんには麻の葉の模様の産着を着せたり、「背守り」として着物の背に麻のかたちを縫いとったりしてきました。


富士山に霞
富士山は、初夢に見ると縁起がいいといわれ、古くから多くの人々の信仰を集める、いまなお多くの人々に愛されている日本一の山。かぐや姫が残した不老不死の霊薬が富士山の上で焼かれたという伝説もあります。

 
ここで紹介したおめでたいかたちのほかにも、日本にはたくさんの美しい「かたち」があります。エクスプランテ社から発行されている「紋切り型シリーズ」は、紙を折りたたんで型紙のとおりに切り抜いて、日本の紋が簡単につくれるキットです。江戸時代の遊び「紋切り」を親子で楽しんでみてください。
めでたづくし
著者:下中菜穂 発行:エクスプランテ ¥1,200(税別)

※この記事は mammoth No.25「JAPON」特集に掲載されています。監修:下中菜穂

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