©Bridget Riley, Painting with Verticals, Cadence 6, 2006

障害者スポーツを世の中に伝えたい|新田佳浩(障害者ノルディックスキー選手)

パラリンピックという言葉を初めて聞いたとき、かわいそうな人のための大会という印象を受けたんです。でも、海外の選手が活躍する映像を見て考えが変わりました。実際に参加してみると、すべての選手がスポーツをすることのすばらしさを感じていて、観客も、障害のあるなしにかかわらず同じ人間として応援していることに気づいたんです。
バンクーバーで金メダルを獲得したときは、自分のケガに責任を感じていた祖父に金メダルをかけるという夢が叶い、感無量でした。しばらくして、金メダルを獲ったからこそ、障害者スポーツをひとつのスポーツとして世の中に理解してもらえるよう情報発信するべきだと考えるようになり、個人ブログを立ちあげました。自分が切磋琢磨している姿をブログを通じて見てもらうことで、多くの人々にパラリンピックや障害者スポーツについて興味をもってもらえたら嬉しい。
いまでも「両手があったら…」と考えることもあるけれど、左手を失ったからこそ家族やまわりの人の愛情ややさしさを感じることができました。だから「障害をもっていることは不幸ではない」と言えるんです。ケガや病気で障害をもってしまったとき、夢や希望を捨てないでがんばろうという前向きな気持ちをもてることが、スポーツのすばらしさだと思います。そのために、もっと障害者スポーツのすばらしさを伝えていきたい。3年後のソチに向けて気持ちを新たにしているので、ぜひ応援してくださいね。
新田佳浩 にったよしひろ
1980年、岡山県生まれ。障害者ノルディックスキー選手。日立ソリューションズスキー部所属。種目は、クロスカントリー、バイアスロン。冬季パラリンピック4大会に連続出場、バングーバーでは金メダリストに。
http://www.nitta-yoshihiro.com/
※ このインタビューはマンモス22号「Handicapped & Able」に掲載されています。